オーナー座談会
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2019.2 「立地」と「部屋の広さ」は変えられない!?
部屋が決まらない・・・その理由は。
空室期間が長くどうしたら良いのか・・・立地は変えられなけど付加価値を付けてみる。
広さは変えられないけど、間取りや収納を変えてみる。
アイデアは無限です!
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※司会 国交省から2017 年度の「住宅市場動向」が発表されましたが、その中の賃貸経営に関係するポイントについて意見をお願いします。まず、入居者が賃貸住宅を選ぶ理由として、1に家賃、2に立地と環境、3に部屋の広さ、という3点に集約されているようです。この結果を読んでどう思いますか?
S 「立地」と「部屋の広さ」は僕たち大家には変えられませんよね。変えられるのは「家賃」だけです。ですから早く部屋を決めるにはライバルより家賃を下げるのが一番、ということだと思います。
G たしかに「立地」と「部屋の広さ」は変えられませんが、「環境」は物件の植栽や照明を整備することで、近辺の環境を少しは良くできますし、建物施設内の環境については、すべて大家の努力で改善することはできると思いますよ。
O たとえ駅から遠い立地でも、必要な駐車場と駐輪場を用意したり、部屋ごとに自転車をセットするとか駅前駐輪場を確保しておく、といった努力で「立地を良くする」ことは出来なくはありませんね。そこの努力は怠ってはいけないと思います。
H 「部屋の広さ」も増やすことは出来ないけど、室内の収納部分を増やしたり外に収納庫を設置するなどの工夫次第で、広さを補うことができると思います。
G 僕の地域に1Kを探しに来る人は家賃の上限を想定してきます。想定の範囲で、なるべく良い立地、なるべく広い部屋を決めようとするので、国交省のデータの順位は当然のことですよね。だから僕たち大家は、自分の物件の立地や間取や設備の評価を客観的に正しく理解する必要があります。
H 自分の立地や間取について、つい甘く評価してしまいがちですからね(笑)。
G そのうえでライバルと比べて家賃を下げるとか、努力してマイナスをカバーして高い家賃を確保するとか、大家さんの考えによって色々な方法がとれると思います。
司会「立地」「広さ」の条件も大家さんの努力で変えられる、ということですね。2番目として、お客様が部屋を探すときに利用したのは「不動産業者」が52(昨年は46.4)%、「インターネット」が35.7(同40.8)%で、部屋を探す窓口は不動産会社が首位でした。昨年と比べると不動産業者が6 %近くも増えて、インターネットが5 %も減少しているそうです。
O 驚きました。この結果は意外ですね。年々、インターネットの比率が高くなり続けると思っていました。
W これからは自宅でVR(バーチャルリアルティ)によってリアルに部屋が見られるようになりますし、スマートロックで不動産会社に行かなくても内見できるという技術が進むので不動産会社離れが進んでいくと思ってました。
H いや、いくらインターネットが普及しても、現地で人と対面しながら説明を受けた上で、信頼できる不動産会社の窓口で契約するのが一番という、お客様の思いは無くならないのではないでしょうか。ただ不動産会社さんもこれから選択されていきますよね。部屋探しのお客様だけでなく僕たち大家からも。
司会やはり人と人のコミュニケーションは廃れないということですね。最後に、賃貸住宅の世帯当たりの居住人数は、1人が33.7 %、2人が31.9 %、3人が19.4 %という結果でした。この数字はどう思いますか?
S 厚生労働省「日本の世帯数の将来推計」という資料で、日本の世帯数は4 年後の2023 年まで増加を続けて、その後は減少に転じ、2040 年の世帯数は2015 年に比べ257万世帯も少なくなると書いてありました。まだ21 年も先のことですが、全体の5 %も減るというのは大変なことですよね。
G 全国平均なので減るところはもっと格段に減るでしょうし、それほど減らない地域もあるでしょう。
W これから新築が一棟も供給されないなら、老朽化による取壊しで減る分があるから丁度いいかもしれませんが新築供給は止まらないですからね。
G 4 年は世帯が増えるので安心していたら、そこから今より257 万世帯も減るというのは怖い予測です。正しく努力し続ける大家であれと、この資料に教えられました。
司会ありがとうございました。