賃貸Q&A
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2019.3 金井【賃貸借契約書はしっかりと読みましょう】
家主さんの中には管理会社さんに管理を任せている方もいれば、ご自身で管理されている方もいらっしゃいます。仕事柄、両方の家主さんと関わらせていただきますが、特に自主管理される家主さんに、よくご注意申し上げることがあります。それは賃貸借契約書についてです。
家主さんの中には管理会社さんに管理を任せている方もいれば、ご自身で管理されている方もいらっしゃいます。仕事柄、両方の家主さんと関わらせていただきますが、特に自主管理される家主さんに、よくご注意申し上げることがあります。それは賃貸借契約書についてです。繁忙期は賃貸借契約書に署名押印する機会が多いと思いますが、すべて不動産会社さんに任せっきりになっていないでしょうか?家主さんは賃貸経営される事業者ですので、信頼のおける不動産会社さんであっても、実際に署名押印する前には、しっかりご自身でも契約内容を確認するべきです。
まず、賃貸借契約書に署名押印する前に中身を読んでらっしゃるでしょうか?不動産会社によって契約書の条項が微妙に異なっている場合がありますし、賃貸借契約の条項は、家主さんの大切な資産を契約相手に貸し渡す際の約束事ですから形式では済まされません。キチンと隅から隅まで読むようにしてください。そうすることで、「あれ、いつもの契約書とここが違う」とか「この記載はどうしてか」と気づくことができます。その都度、不動産会社に確認して契約書に対する知識を入れていきましょう。
たとえば、貸すかどうかの判断に迷ったような場合には、何故ためらうのかをキチンと不動産会社に伝え、不安を払しょくするために特約条項を追加することもできます。ところが任せっきりになると、躊躇したけど承諾した → いつも通りの契約書に署名押印 → 不安が的中した、となった場合、この後の対応に余分な時間や精力を費やすことになります。不安に感じたことはきちんと伝え、そこをカバーできる方法があるのか、カバーできるとしたらどうすれば盤石なのか、について都度話し合ってみましょう。そうすることで不動産会社側からも家主さんの権利を守るような提案をしてくれるようになります。こと日本人は、思ったことを口にできない傾向があります。しかしながら事業者として押印する以上、きちんと言葉で伝えていくことが必要ですまた同時に、賃借人側の署名押印欄も必ずご自身で確認しましょう。「字は体を表す」と言いますが、ひとつの参考資料になります。さらに入居者の住民票や連帯保証人の印鑑証明書等の添付書面も、必ず一通り確認するようにしましょう。入居者の家族構成や年齢等を、家主さんご自身も把握していると、何かあったときの判断が的確に下せます。逆に相手方のことをよく分からないと、判断を見誤ってしまうことにもなりかねません。これは、たとえ管理を任せている場合でも、「自分の財産は自分で守る」という意識を持つことが必要です
「保証会社の審査が通ったから貸しました」と仰る家主さんが多いのが現状だと思います。保証会社は家賃を補てんしてくれますが、それ以外のことは当然ですが望めません。一般的に家賃を払わない人は生活マナーも悪いです。「家賃が入ってくれれば」と思っていても、その入居者のマナーの悪さに他の入居者が退去してしまうことも実際にはたくさんあります。そうならないためにも、家主さん自身も入居審査の判断に加わることをお勧めしています。物件の価値は、そこで暮らす住人を含めての価値です。お金だけ入っても、物件が荒れてしまって価値が下がってしまうのは困りますね
事業主として適切な判断をする、ご自身の財産はご自身で守る、この意識が重要です。そのためにも繰り返しにはなりますが、契約書はきちんと読んだ上で押印しましょう。そして入居者の情報を常に得ておくことは、トラブルが発生したときに早期解決できるポイントとなります。ぜひ更新ごとにも、入居者の情報は得ておきましょう。
章(あや)司法書士事務所 代表 太田垣章子