2024年7月 賃貸業界のニュースから 齋藤 | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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2024年7月 賃貸業界のニュースから 齋藤

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  • 2024年7月 賃貸業界のニュースから

        

    敷金ゼロ物件増加、一方で礼金は増額傾向(首都圏)ほか

    ハザードマップ説明無しで京大生協が処分

     水害ハザードマップをご存じでしょうか?これは自然災害による被害が想定される区域とその程度を示した地図のことで、住民や不動産関係者に災害発生時の重要な情報を提供するために作成されました。2018年の西日本豪雨の被害を受け、国土交通省は2020年夏に宅地建物取引業法の省令を改正し、不動産業者に水害ハザードマップを活用した物件の災害リスク説明を義務付けましたが、それが徹底できていない現場もあるようです。
     今年5月の報道によると、京都大学の生活協同組合が、学生らと賃貸借契約を結ぶ際の重要事項説明に不備があったとして京都府から行政指導を受けていました。京大生協は、2020年8月以降に学生らと結んだ1,635件の賃貸借契約において、重要事項説明書に水害ハザードマップの記載がなかったことを認め謝罪しています。

     また、共同利用の無料洗濯機を、募集広告には「コインランドリー」と記載するなど、事実と異なる内容も含まれていたことも指導の対象になりました。これらの問題が発覚したのは、募集広告を見てコインランドリー付きの物件と思って契約した学生が、広告と実態の違いを京都府に相談したことがきっかけでした。その後、京都府が重要事項説明書を確認したところ、水害ハザードマップの記載もないことが判明した、と地元新聞などが報じています。京都府は今年3月に京大生協に対し、宅地建物取引業法に基づいて適正な業務を行うよう勧告しました。


     京大生協によると、重要事項説明書への記載はなかったものの、別途、学生らにハザードマップを印刷して渡し、リスクについては口頭で説明していたそうです。しかし今回、処分の対象となったことから、ハザードマップは単に形式的に添付するだけでなく、重要事項説明書と一体となってわかりやすく説明することが求められているようです。近年、自然災害が増加し、その被害も甚大化していますので、不動産業者は、ハザードマップを活用し、適切な情報提供と説明を行うことで、入居者の安全・安心な暮らしを支援していくことが求められています。

    首都圏で敷金ゼロ物件増加、「クリーニング代」請求でトラブル懸念

     物価高騰や景気の不透明感から賃貸住宅の需要が増加しているところですが、一方で賃貸経営において入居者募集の際に悩ましい問題なのが敷金・礼金の設定です。LIFULL(東京・千代田区) が運営するポータルサイト「LIFULLHOME'S」の調査によると、首都圏の賃貸物件では敷金の減額傾向が続いており、敷金0物件の割合も増加傾向にあることが分かりました。
     その一方で礼金は増額傾向にあり、礼金0の物件割合は減少しているようです。首都圏賃貸物件における敷金動向を細かく見ると、賃料20万円未満の物件では敷金0物件の割合が増加傾向にあり、特に10万円未満の物件では2018年の35.6%から2023年は53.2%と大きく増加しました。

     一方で20万円以上の物件では、2022年まで敷金0物件が増加していたものの2023年は減少に転じています。また「敷金あり」の物件でも、平均敷金額は全賃料帯で減額傾向にあるようです。特に2020年から2021年のコロナ禍で大きく減少し、その後は緩やかな減少や停滞が見られます。敷金の減少幅は賃料が高いほど大きく、20万円以上の物件では2018年の1.52ヵ月分から2023年には1.18ヵ月分と0.34ヵ月分の減額となっています。この背景には、初期費用負担を抑えたい、という入居者の意向を汲みながらも、賃料は減らさずに収入を確保したいというオーナー側の意向があると分析されています。

     敷金0物件が増加する一方で、一部の管理会社で「クリーニング代」の名目で別途費用を徴収するケースも出てきています。LIFULLHOME'S総研チーフアナリスト・中山登志朗さんは、「物件の原状回復については、故意過失および通常使用の範囲を超えた原因がある場合は賃借人の負担となるルールがありますが、クリーニング代はその基準が不明確で、国民生活センターへの問合せも増えていることから、今後新たな“預り金トラブル”とならないようにあらかじめ確認する必要があります。」と注意を促しています。関西の「敷引き制度」など、そもそも地域によって礼金・敷金に関する商慣習が大きく違いますが、初期費用を抑えたい、という入居者ニーズは全国共通です。今回の調査は首都圏のみの調査でしたが、全国的にも同様の動きがあるのか気になるところです。

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