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2022年1月 2022年の業界展望を語り合う

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  • 2022年1月号 2022年の業界展望を語り合う

        

    今年も、週刊誌やビジネス誌に執筆するライターのA記者と、不動産業界向け新聞のB記者、不動産ネットメディアの編集を手がけるC記者の3名で2021年の賃貸住宅業界を振り返りながら、2022年の展望を語ってもらいました。


    2021年の賃貸住宅業界を振り返ると、6月の賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務などの適正化に関する法律)の施行は大きなトピックだった。

    この法律で、想定管理物件が200戸以上の事業者は国へ登録が義務づけられました。また、管理契約を結ぶ前に、オーナーへ管理業務の内容や実施方法などについて書面を交付して説明が必要になりました。管理者の設置義務もあって、違反があれば業務停止処分が課せられます。

    民間資格だった賃貸不動産経営管理士が2021年の試験から国家資格化した。同時に受験者が増え、問題は難しくなり合格率が低下しているらしい。

    そうですね。2013年の最初の試験は3,946名が受験して合格率は85.8%(3,386名)だったのが、国家資格化を見据えた2020年には27,338名が受験、合格率は29.8%(8,146名)にまでなっています。2021年は約3万5000人が受験申込みしたようです。合格発表は今年1月7日ですが、合格率はさらに下がると予想されています。

    狭き門ですね。ところで、法制度の確立や賃貸管理士の国家資格化など、一気に業界の整備が進んだ印象があります。

    それは、「かぼちゃの馬車事件」が影響しているという噂がある。この法律では2020年にサブリースの運用についても一部を厳格化したけど、第2、第3のかぼちゃを生まないようにという国の意向があったとしても不思議ではない。

    「役所は社会問題化したとたんに態度が変わる」と嫌みを言う業界関係者もいたらしいですね、でも、こういった豹変なら大歓迎と言えそうですね。


    事件取材の多いAさんから見て、2021年に気になった不動産ニュースは何ですか?

    火災保険の保険請求について不正な申請が横行している件だね。

    2021年10月に賃貸住宅販売会社の経営者などが逮捕されましたね。容疑は弁護士法違反ですが、この会社が販売した賃貸住宅では短期間で約70件の請求業務の代行があったようで、この中には虚偽の不正請求があったとみて、警察は捜査をしているという報道もありました。

    ここ数年で「火災保険を使えばオーナー負担なしでリフォームできる」などの文言のネット広告が増えました。経年劣化による損傷にも関わらず、台風などの災害を理由にして保険金請求をする手口です。「負担なし」につられて虚偽申請の片棒を担がされたオーナーがいたようです。

    台風などの自然災害が頻発して保険請求が増えているなかで、どさくさに紛れた不正請求が増えたと聞いた。

    ところが保険会社も審査を厳格化して保険金がおりないこともあったようです。その場合はオーナーに法外なリフォーム代金を請求してくる業者もいたと聞いてます。オーナーも後ろめたいところがあるから周囲に相談できず払ってしまうとか。

    事業者からオーナーに提案したくせに、手のひら返しをするとは、本当にたちが悪いな。しかし、警察が動き出したということは、他にも立件されるケースが出てくるかもしれないよね。

    オーナーも「悪いこととは知らなかった」では、済まなくなるかもしれませんね。とにかく不正請求は絶対ダメです。



    不動産テック系のベンチャー企業が上場し始めたのも印象的だったね。

    2021年9月にネット接続できる防犯カメラのセーフィー(東京・品川区)、11月にはスマートロックのフォトシンス(同・品川区)が上場しました。セーフィーのネットカメラは簡単に設置できて、スマホなどで映像を見ることができるものです。賃貸経営にも活用できそうです。フォトシンスは、スマホで操作できるスマートロックの開発会社です。賃貸住宅に適した商品もありますが、小規模の事務所や店舗などでアルバイトやパートのスマホに鍵を開ける機能を付与できます。

    いずれも賃貸住宅や事務所の可能性を広げる機能を持った商品を扱っています。上場したことで、さらに便利な製品になればいいですね。

    2021年はOYO LIFEの賃貸住宅市場撤退が話題になりました。その一方で、海外の不動産テック企業が日本市場向けにサービスを提供する動きは途絶えていません。

    プライスハブルジャパン(東京・千代田区)はスイス発の不動産テック企業です。「Property Advisor(プロパティアドバイザー)」という不動産AI査定のサービスで、マンションや戸建ての売却価格や賃料査定ができます。面白いのは、これから建てる新築物件も査定することが可能ですし、未来に建てる物件でもAIが賃料を推定してくれるんです。AIの可能性には驚かされました。

    中国・深圳に本社があるワンダーシェアという会社はマウスの操作だけで物件チラシを作ることができます。今までのソフトと比べて、できあがりの精度が高いのに驚きました。

    不動産テックだけでなくDX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉もよく聞いたな。

    デジタル化によってビジネスの根幹を変化させようという動きです。これまでのように作業効率を上げるとか簡素化するのではなく、そもそも仕事の流れごと変えるという意味で使われています。

    このDXは2022年以降にますます重要度が高くなると思います。日本全体で労働人口が減っていて、賃貸管理会社は採用にかかるコストが年々、増しています。その上で、入居者対応に求められる質はますます高くなっています。

    少ない人手で、過酷なサービス競争に挑むのは大変だね。テクノロジーが助けてくれるわけだ。

    オーナー、入居者、仲介会社、保証会社、保険会社、リフォーム会社、電気、水道‥‥と、様々な関係者とのやり取りをいかにスムーズに、簡潔にするのかが重要になります。

    電子契約で申込みが入ると自動的に保証会社に連絡がいって審査が始まるとか、リフォーム会社が原状回復工事の完了報告をすると自動でポータルサイトに募集広告が入る。情報伝達コストを減らして、人間が関与してない仕組みを作っていくことを目指していくことになると思います。

    不動産テックやDXは、オーナーが直接に楽できる製品ではないかもしれないけど、賃貸管理の質が上がることで経営にプラスになると思うね。人手不足が深刻になるのはこれからだから、変化の動きも早くなっていく。注目しておこう。



    2021年はコロナ禍の影響が本格化してきた1年だったとも言えそうだ。

    空室率がジワジワと上昇しているという声がありました。各種のデータでも上昇傾向にあることが報道されています。

    特に首都圏では単身者向けワンルームに反響が減ったらしい。都内のオーナーは「特に家賃5万円~6万円台で外国人入居者が多かった部屋で空室が続いている」と語っています。他の都市でも同じ傾向がみられるのではないかな。

    コロナ前は毎年12万人以上が来日していましたが、2020年は4万9,700人しか入国を認められませんでした。2021年は11月の段階で1万人にも届いていないと言われています。賃貸住宅市場への影響は計り知れません。

    学生は海外からリモートで授業に参加する事例もあるようですが、時差もあるため継続するのは大変です。留学生に対して、「ここまで厳しい入国規制をしているのは諸外国のなかで日本だけ」という声もあって、「このままだと、日本へ留学しようとする外国人自体がいなくなってしまうのではないか」と心配する管理会社もありました。

    賃貸住宅業界は地域の学校と連携して、留学生受け入れのための基盤を何十年にもわたって築いてきたのに歯がゆいね。11月には入国規制を大幅に緩和すると国が発表したけど、すぐにオミクロン株への警戒から入国制限が戻された。

    コロナ対策はとても大切ですが、賃貸住宅業界にできることは無いのでしょうか。



    2021年の総選挙で気になったのは、住宅手当を選挙公約に揚げる政党が多かったこと。

    野党は親元を離れた学生や生活困窮者向けの家賃補助を政策に入れていました。与党もコロナ禍で対象が拡大した住居確保給付金の対象拡大と期間延長を訴えていたのは印象的です。

    ある候補者は住宅政策そのものを持ち家重視から転換すべきと主張していて、高齢者や生活困窮者が賃貸を借りやすくするために、国が滞納保証をする制度の創設に言及していた。こういう良いアイデアは実現して欲しい。2022年も賃貸住宅市場に目を向けた議論が活発になって欲しいね。

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