2021年8月 2021年賃貸住宅業界の上半期を振り返る | さいたま市の賃貸は株式会社 別所不動産にお任せ下さい!

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業界ニュース

  • 2021年8月号 2021年賃貸住宅業界の上半期を振り返る

    2021.08.19

        

    週刊誌やビジネス誌に執筆するライターのA記者と、不動産業界向け新聞のB記者、不動産ネットメディアの編集を手掛けるC記者の3名で、2021年上半期に話題になった賃貸業界ニュースを語ってもらいました。


    2021年の賃貸住宅業界もいろんなニュースがありましたね。その中で賃貸住宅管理業法の全面施行が大きな話題になった。昨年12月15日にサブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化にかかる措置が先だって施行されていたけど、今年6月15日に賃貸管理業者の登録制度がスタートしたわけだね。

    元をたどれば賃貸管理はアパート経営の御用聞きから始まったと言われてます。自然発生したビジネスだから、世の中での立ち位置も不明確なままでした。本法律で社会に認められるという感慨を持つ事業者も多いでしょう。

    管理会社の団体である日本賃貸住宅管理協会は法律施行にあわせて新聞に全面広告を出しました。気合いが入ったという感じでしたね。

    来年6月までに管理戸数200戸以上の賃貸管理事業者は国交大臣への登録が義務付けられる。業務管理者の設置や、違反には業務停止の処分が課せられる。管理会社の社員は賃貸不動産経営管理士の勉強をしているらしい。

    その資格取得に必要な知識の中には、建物管理の実務も含まれます。今年は賃貸住宅内での事故が大きく注目されましたから、建物を安全な状態に保つことの価値が増しています。

    4月に東京・八王子のアパートで階段が崩落して、住民の女性が亡くなった事故のことですね。アパートを販売した建設会社はコストを下げるために外付け階段に木材を使用していました。国の調査では、合計213棟で木材が使われているとみられています。

    事故直後に破産申請するという建設会社の責任逃れには怒りの声が上がっている。業務上過失致死の疑いで捜査が進んでいるし、刑事罰がくだされるのは間違いないだろう。

    管理会社やオーナーにとっても大きなリスクだと思います。しかし、建築確認がとれている物件を購入しているわけで、オーナーや管理会社がどこまで責任を問われるべきなのか、困惑の声もありました。引き続き、注目されそうです。



    5月には国交省から事故物件の告知義務に関するガイドライン案が発表されたね。

    これまでは事故物件、いわゆる心理的瑕疵物件の告知や取り扱いには規定がありませんでした。なかには勝手な認識で対応して、トラブルになることもあった。

    心理的瑕疵が発生しても、次の次の入居者には告知する義務はないという俗説だな。事故物件に従業員が入居者として短期契約し、次の人に貸すといったやり方も横行していた。でも、法律的な根拠は全くなかったんだよな。

    今回発表されたガイドライン案では、殺人や自殺、火災による死亡が発生した物件に関しては、事件発生から3年間は入所希望者に対して告知すべきとなっている。

    一方で、病死や老衰、家庭内での事故による死亡に関しては、告知義務は発生しないとしていますね。ただし、孤独死などで遺体の発見が遅れ、特殊清掃をした場合などは、やはり3年間の告知義務があるとされています。遺体発見までの日数など、具体的な目安は決まっていないため、こちらも個別の判断に任されそうですね。

    高齢世帯が増えるなかで、病死などは告知不要というのは時代にマッチしていると思う。

    国交省は、6月までパブリックコメントを公募していました。それを反映して、今夏に改めて正式なガイドラインを発表する予定です。勘違いしてはいけないのは、これはガイドラインに過ぎないことです。ある管理会社の代表は「可能な限り借主の気持ちを汲んで、特に聞かれたら丁寧に対応することが宅建業者のとるべき姿勢」と語っていました。

    心の問題なので柔軟な対応が大切ですね。



    今年は、賃貸物件の内見客を装った脅迫・強盗事件が多発していますね。

    3月には東京都で、5月には千葉県で、物件案内時の不動産会社従業員が被害に遭ってます。

    被害者はどちらも女性だ。賃貸物件の案内は、若い女性従業員がひとりで対応することも多く、セキュリティや防犯面の課題がある。複数の従業員で物件案内しようにも、コストがあわない。無人内見ができるシステムやスマホの位置情報を活用する防犯アプリなどで対応するしかないのかな。

    一方で、不動産会社従業員が加害者になった事件もありました。4月、九州地方の管理会社に勤めていた男性社員が、女性客の物件案内時にわいせつ行為をした事件です。

    報道では、被害者の女性は、携帯番号や住所などの個人情報を渡していたので、逃げ出すことができなかったと言っているようです。

    賃貸ビジネスは合鍵まで管理する職業なのだから、あらためて高い倫理観が必要だと思いました。ただ最近では、製造番号だけでネットで合鍵が作れるサービスまである。地場大手の管理会社では入退室記録がとれる専用の部屋を作るなど、鍵の管理だけで、毎年数百万円のコストがかかると言っていました。

    悪いことする奴は常に上をいくから、悩ましい問題だね。



    OYOが賃貸不動産から撤退したね。インドの黒船と騒がれたけど、取材すると不動産ビジネスの知識が全くない人が多くて驚いたよ。

    それが逆に新しいと思ったのかも(笑)。でも、「やっていることはマンスリーマンションと同じ」と冷めた評価の業界人も実は多かった。

    とにかく物件を集めるために、家賃相場を無視した借り上げが横行していました。それで救われたオーナーもいましたね。でも、不動産会社を辞めてOYOに転職した人もいて、このあいだ連絡したら、前にいた会社よりだいぶ規模の小さい不動産会社に再就職していて、苦労しているようです。

    特に新しいビジネスモデルが生まれたわけでなく、混乱だけを残していった印象だな。混乱といえば、スルガ銀行問題が再燃したね。シェアハウスだけでなく中古マンションを一棟買いしたオーナーも被害者組織を結集した。

    スルガ銀行日本橋店の前でデモ活動を始めました。一方でシェアハウスのように家賃が全く入ってこないとか、建築途中で止まっているという人が多いわけでもなく、スルガ銀行がどこまで交渉に応じるのかは不透明です。

    シェアハウスの時は建物を引き渡せば債務免除という形で解決をはかったけど、裁判で判決が出たわけでなく、あくまでスルガ銀行側が和解に応じただけ。三為(さんため)業者に高値で物件を売りつけられたら、もれなく救済されるというわけではないんだよな。

    スルガ銀行問題で気になるのは、販売業者、銀行、投資家など、不動産投資に関わった人から、入居者ニーズについての声が聞こえないことです。賃貸ビジネスは入居者が払う家賃が全ての源泉でしょう。だけど、管理の現場以外で、そのことに気がついていない人が多過ぎるんじゃないですかね。

    シェアハウスオーナーの中には、サブリースで家賃が入ってくるという皮算用だけで、物件を見たこともなかった人が大勢いました。そのうちの一人は家賃が入ってこなくなって始めて物件を見に行き、奥さんと二人で草むしりから始めました。元は真面目な人で、隅々まで掃除をする内に買ってしまったシェアハウスが、いかに住む人のことを考えていないのか気がついたそうです。本当なら、入居者の立場になれる良い大家さんになったかもしれないと思って、切なくなりました。

    それは…たまらないね。そういう人にはいつかまた賃貸経営をやって欲しい。

    一方でシェアハウス問題の黒幕とされる人物は、「金儲け」を教えるという触れ込みでSNSの動画サイトで視聴者を集めていますよ。

    そういう人には賃貸業界に関わってもらいたくないね。これからの下半期も、五輪後の景気動向やコロナのワクチン普及などで話題は尽きないね。また良いネタを持ち合って集まりましょう。



     

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