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建物明渡しで貸主の全面勝訴 ①
賃貸物件の築年数が古く耐震性の強度不足が判明したとき、耐震改修をしなければ入居者に危険が伴う、ということがあります。
しかし「改修費用がかかり過ぎて、費用対効果が得られない」ときは「取り壊し」のため借主に退去をお願いすることになるでしょう。
そのときオーナーの前には借家法の「正当事由」制度が大きく立ちはだかることになります。今回、東京地裁で「貸主の正当事由が認められる」判決が下されました。
建物は築40年を超えたUR都市機構のマンションです。
URが借主の移転住居のあっせんや引っ越し費用などの負担を申し出て交渉したところ、204世帯のうち7世帯が拒否していたので「明渡し」を求めて提訴しました。
判決は、「どんな耐震改修を行うかは建物の所有者が決定すべき」、「判断に誤りや裁量の逸脱がなく、借主に相応の代償がされていれば、貸主の判断が尊重されるべき」とのことでした。
貸主側の全面勝訴です。今後の民間賃貸の参考にもなる判決でした。