空室対策
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「“家具・家電つき”という貸し方」
オーナー様の貸室の価値は、立地、建物、部屋、設備、賃貸条件、入居者サービス、などの要素で構成されています。その総計が「貸室の価値」であり、その価値と家賃が「見合っている」ことが、空室対策の一番の大原則です。そうなって初めてお客様は、オーナー様の貸室に興味を持ち、「見てみたい」と思うのです。でも、お部屋を見ても、そこがガランとした空間だったら、自分が暮らしているイメージを実感できません。部屋をみた瞬間に、「あ、ここに住んでみたい」という第一印象を抱くのは難しいでしょう。
このギャップは、家を売るときも同じなので、販売業者は一戸建てやマンションを販売するときは、モデルハウスやモデルルームを作り、そこに生活感を演出して、そのギャップを埋めようとしています。そのアイデアをオーナー様の貸室にも活かしたいのです。
そうは言っても賃貸なので予算の制限もあります。大げさに考えず、たとえば、カーテンだけでも趣(おもむき)が変わります。照明器具だけでもインパクトがあります。壁に掛けるポスターの一枚や、玄関マットとスリッパや、シューズボックスの上の“一輪の花”でも変化が生まれます。
もう少し本格的にやるなら、テーブルや椅子やラグマットを置くと生活感が演出できますので、お客様のイメージが、さらに膨らみます。これでも、家賃の1ヶ月分以内で揃えることができます。女性がターゲットなら「赤」、男性なら「黒」と、ワンポイントとなる色を使うと、さらに印象深くなるでしょう。
しかし現実的な問題点として、満室のとき、これらの「道具」を保管しておくスペースが必要になります。そこで、「この部屋に決めようかな」と迷っているお客様に、「ご希望でしたら、この部屋に設置されているモノを、お使いください」と、部屋と一緒に貸し出してしまうか、プレゼントする、ということも可能です。それが、部屋を決めるキッカケになるかもしれません。そのためには、部屋に飾る家具や小物は、住む人を想定して真剣に選ぶ必要があります。
前回の記事で「アクセントクロス」を紹介しました。アクセントクロスとは、「部屋の一面だけに貼られる色や柄のあるクロス」のことで、お部屋のアクセントになる、ということで名付けられました。前回は「それを選ばせる」というカスタマイズの手法でしたが、あえて、オーナー様が選んで貼っておくことで、室内の雰囲気を大きく変えることができます。選ぶ小物や家具も、アクセントクロスに合わせてカラーコーディネイトさせれば、さらに印象が強くなるでしょう。
お部屋を見せる(魅せる)ために、「そこまでやるのか」とも思いますが、「常に20%は空室」という時代の中で「選ばれるため」に、空室対策で手を抜くことはできません。