空室対策
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2025年4月 管理スタッフからの現場レポート
騒音トラブルはこう対処!管理会社の粘り強い対応とは?
繁忙期が終わると賃貸管理スタッフには、新しい入居者さんに快適に暮らしていただくための業務が始まります。その中でも、初めて共同住宅で暮らしたときに起きやすいトラブルとして「音の問題」があります。
先日、オーナー様から「入居者のAさんから、夜うるさくて眠れないと相談があった」と連絡を受けました。一口に騒音トラブルと言っても、「1.生活音が原因の騒音」「2.設備が原因の騒音」「3.入居者の迷惑行為による騒音」などいろいろなケースがあり、対応方法も異なります。今回はその中の「生活音が原因の騒音」を取り上げ、私たち管理スタッフがどのように対応したかをレポートします。
解決のポイントは着地点を明確にする。
騒音トラブルを解決する際は、最終的な着地点(解決したイメージ)を想定します。たとえば漏水トラブルは「漏水が止まる」ことが着地点ですが、騒音トラブルは音をゼロにすることは難しいので、着地点として
・音を小さくする
・音をなくす努力をアピールする
・双方に建物の限界を理解してもらう
などのケースを想定しておきます。そうでないと際限の無い対応が続くことになってしまうのです。
管理会社がとるべき対応ステップ
具体的な方法として以下のようなステップを講じます。
1.音が受忍限度を超えているか現地で確認する
2(. 超えている時は)注意を促す文書を全戸に配布する
3.苦情元に経過を報告する
4.音が改善されない場合は騒音元を訪問しお願いをする
5.それでも改善しない場合は訪問して注意する
この作業を根気よく繰り返すことになります。
現状把握から根気強い対応まで
Aさんに詳細を聞いたところ「ほとんど毎日、夜10時頃になると上の部屋から足音がドンドン響き11時過ぎまでつづく」とのことでした。実際に聞いてみると、上階の住人の足音がたしかに響くような音であると判断しました。上階は新しく入居した大柄の独身男性なのですが、10時過ぎという時間帯も問題です。
さっそく、注意を促す文書を全戸に配布しました。文書に、騒音の曜日、時間、音の種類を詳しく記すことで、騒音元に「自分のこと?」と気づいてほしい、という狙いがあります。しかし、1週間程度の様子を見た後にAさんに確認すると、夜の足音は改善されていないようなので、騒音元に直接訪問して「夜間の足音に関するお問い合わせがありまして…、もし心当たりがあれば、気をつけていただけると助かります」とお願いしました。多くの場合、「そんなに響くと思わなかった」と気づいていただくことで状況は改善します。
Aさんにもその経緯を説明することで納得していただけることもあります。
しかし今回は、一度の依頼でAさんの納得が得られませんでしたので、騒音元に根気よく注意とお願いをし続けるうちに、上階の方も「踵(かかと)で歩かない、夜はスリッパを脱ぐ」など具体的な対策を講じてくださり、Aさんからの苦情は減っていきました。こうして足音の問題は落ち着き、Aさんも「音が小さくなって助かりました。ありがとうございました」と穏やかにお話しくださいました。もちろん、音の感じ方には個人差があるため、100%の解決が難しい場合もありますが、「真摯に耳を傾け、根気強く対応する」という姿勢がAさんの満足につながったのだと思います。
騒音トラブル対応の限界と管理会社の役割
さて、今回のようにうまく事が運べないときもあります。たとえば、まったく注意を聞こうとしない住人に対しては、根気強く訪問を繰り返した後に退去をお願いすることもあります。(もちろん、強制的に退去させることは難しいのですが)。あるいは騒音が改善されていても、「まだ音が聞こえる」と過剰反応を続ける苦情元の入居者さんにお部屋を替えていただくようお願いしたことも、過去にはあったようです。
音が「受忍限度を超えているか?」を現地で確認することの難しさもあります。スタッフが確認して、「これは限度内だな」と判断した時は、建物構造の限界について納得いただかなければなりません。しかし物音と言っても、足音は生活するうえで必ず聞こえるものですが、物を叩いたり擦る音は通常ではありませんので、音の大小にかかわらず注意の対象になります。そして、上下の方がそろって初めての共同住宅のケースでは、上階の方は「そんなに音は響かない」と思っていて、下にお住いの方は、初めて聞く他人の音に神経をとがらせてしまう、という行き違いが起こりやすいのです。
私たち管理スタッフは、今回のような「生活音」によるトラブルでは、その内容を正確に把握し、双方の主張に耳を傾けることを不可欠としています。そして、「管理会社はここまで対応してくれる」と感じていただけるように努めてまいります。