賃貸経営塾
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No.16 賃貸経営の通信簿とは
賃貸経営の評価として「投資に対してどれだけ収益があがっているか」という物差しがあります。
賃貸経営は不動産投資ですから、当然に収益(リターン)を求めるべきですね。たとえ賃貸経営を始めたキッカケが税金対策や土地活用のため「仕方なく」だったとしても、経営を始めた以上は「最大の収益」を求めたいと思います。物件の取得に1億円かかり年間で1000万円の収益があった場合
「1000万円÷1億円=10%」
となり、実質利回りは10%です。
取得額には土地代も含めてください。とても単純で分かり易い計算ですから馴染みやすいと思います。
しかしこの方法は1年ごとの評価なので通算成績が分かりにくいという側面があります。
極端な例でいうと、1億円の投資で年間1000万の収益が4年続き、5年目の収益は800万円だとします。
5年で4800万円の収益は喜ぶべき成績ですね。でも、5年後の資産価値が8000万円に下がっていたらどうでしょうか。本当の収益は、資産のマイナス分を差し引いて(4800万-2000万)2800万円です。
年平均の収益は560万円となり、1000万円とは程遠くなります。
これでは正確な評価とはいえません。(厳密には5年間のデフレやインフレも考慮に入れるのですが・・)このように複数の期間の収益と、その時点の資産価値を考慮して計算すると通算成績が評価できます。
でも、賃貸経営は算数の授業ではないので、このような計算は無意味だと思われたのではないでしょうか。
たとえば、目の前に長期の空室があったとします。
家賃を下げようか、数十万のリフォームを行うか、あるいは大規模にリニューアルするかと迷うかもしれません。
そのときの基準は「部屋が埋まるかどうか」ではなく、5年くらいの期間の通算成績で「どれが最も収益が高いか」で判断するのです。そんなときは役に立つ考え方です。