賃貸経営塾
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No.48 室内写真の上手な撮影方法(明るさ編)
司会前回は「誰でもプロ級の室内写真が撮れる方法」として「構図」についてTさんに解説して
いただきました。司会前回は「誰でもプロ級の室内写真が撮れる方法」として「構図」についてTさんに解説していただきました。今回は、もうひとつのポイントの「色味と明るさ」について教えていただこうと思います。 T 分かりました。まず前回の構図の復習をしておきますね。写真の構図がしっかりしていると、お客様に多くの情報が正確に伝わるようになります。そのポイントとして申し上げたのは4つで、「部屋を広く撮ること」「目線を真っ直ぐに撮ること」「視線を下げて撮ること」「一枚に多くの情報を撮り込むこと」でした。実際にご自身で試してみることをお勧めいたします。
A さっそく撮りましたが、前に撮影した写真と比べると、本当に良くなりました。 W 構図を変えるだけで良くなったのに、まだ他に覚えなければなりませんか?(笑) T そうですね。もし構図が完璧だったとしても、室内が青や赤っぽく映っていたり、暗くてよく見えない状態だったら、 それは、良い写真」とは言えないと思います。今回のテーマは「色味」と「明るさ」ですが、 人間が見ているのと同じ「色味」で撮ることと、光が足りない室内でも、出来る限り「明るく撮る技術」が必要になります。 D 難しそうですね(笑) T 少し専門的になる部分もありますが、理解していただけるように解説しますね。
「色味」はホワイトバランス機能 T まず「色味」です。特に狭い室内を撮ったときに、部屋が青白くなったりトイレが赤っぽく映ってしまうことがあります。これは壁の色が青や赤なのではなくカメラの設定によって起こっています。カメラ用語ではホワイトバランスと言いますが、これが上手く機能していないと不自然な色に撮影されることがあります。 D 僕のカメラにも、その機能は付いていますね。 T カメラによって「太陽光、曇り、白熱電灯、蛍光灯」などのモードが用意されていますので、それらを調整して、適切な色味が出るようにしてください。 D とにかく部屋が青や赤になってしまったら、設定を変更して撮り直しですね。 明るく撮るには「適正露出」 T さて、問題は「明るさ」です。実は、昼間の外(おもて)と室内では光の量が格段に違います。僕たち人間の目は高性能なので、暗くても補正してくれますが、カメラは機械なので「露出を適正に調整する」必要があります。 A 室内は思ったより光が少ないんだ。 T 少し専門的になってしまうのですが、適当な明るさに調整することを「適正露出」と言います。適正露出は「絞り」と「シャッター速度」の組み合わせで決まります。 W うーん、難しくなってきました(笑)。 T シンプルに結論から申し上げますと、お部屋を探しているお客様に、「明るくピントの合った室内写真」で見ていただきたいのです。 W 暗くては折角のお部屋が残念ですし、ピントがボケてしまうのも良くありませんよね。明るく撮るとピントがボケる? 「絞り」を大きく「シャッター」は遅く T 「絞り」は値を小さくすると明るく撮れますが、ピントの合う範囲が狭くなります。家具がセットされている場合など、極端に言うと、手前の椅子にピントを合わせると、奥の植木がボケてしまいます。 A ああ、そんな写真を撮ったことあります。あの原因は「絞り」の数字が小さかったからですね。 D では、どうしたら良いのですか? T 専門的なことは置いておいて、シンプルに「絞り値を『F8』より小さくしない」と覚えてください。それより小さい値で撮ると、手前や奥の、どちらかのピントの合っていない写真になってしまいます。
D それでは暗くなってしまうでしょう? T 絞り値を「F8」に固定して室内で明るく撮る(適正露出を得る)には「シャッター速度」で調整します。おそらく、「1/5 秒」とか「1/10 秒」という、極端に遅い速度にする必要があります。 D 光が足りないので、それを補うために、シャッターを「ゆっくり切る」と言うことなんですね。 W 絞りを「F8」にして、次に液晶画面が適当に明るくなるまで、シャッター速度の目盛りで調整していく、というカンジですね。 D そうすると、結果的にシャッターの速度は極端に遅くなってしまう、という仕組みなんですね。では、「手ブレ」してしまうのではないですか? T そうなんです。カメラを手に持ったまま、遅いシャッター速度で撮れば、ほとんど「手ぶれ」になります。そこで、室内撮影には必ず「三脚が必要」ということになります。 A ああ、三脚が必須なんですね。 T 今回の解説をまとめると、まず使用するカメラは、少なくともホワイトバランス機能とモード設定があり、「絞り」と「シャッター速度」が選べるレベルが必要ですね。そして、適正露出で室内のピントを合わせるために「シャッター速度」が遅くなるので、三脚を必ずお使いください。絞りの値は「F8 以上」と覚えてしまってください。あと、適正露出のために「ISO 感度を変える」技もありますが、今回は忘れて ください(笑)。 A 聞かなかったことにしておきます(笑)。 D これで、構図が良く、色味と明るさが適切な、プロにも負けない室内写真が撮れそうです。 司会 有り難うございました。