賃貸経営塾
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No.41 入居者さんの要望を知っているでしょうか？
入居者さんの要望を知っているでしょうか？お部屋探しのお客様が重視することの一つに「設備」がありますが、先日こんな事がありました。
入居者さんの要望を知っているでしょうか？お部屋探しのお客様が重視することの一つに「設備」がありますが、先日こんな事がありました。ご所有の賃貸物件に空きが目立つようになったので相談したいと言われ、とある大家さんのお宅に訪問したのですが、その大家さんはご自分の賃貸物件の一番の売りは、「最近導入したケーブルテレビだ」と仰っていました。大家さんの出費で、入居者さんが４０チャンネルの番組を無料で視聴出来るようになっているらしいのです。よくよくお聞きすると、大家さんご自身は大の野球ファン。しかもマイナーなチームがお好きなので、一般的な地上波では試合の放送がされないらしく、ケーブルテレビのスポーツチャンネルを毎回楽しみにしているそうです。
「入居する人もすごく喜ぶと思うから、これをしっかりアピールしてもらいたいんだ」と仰ってました。
この大家さんのお気持ちはとても良くわかるのですが、実はここには残念な勘違いがあるです。なぜなら、この大家さんの物件は、学生さんや若い社会人向けのワンルームだからです。「学生向けのワンルームにケーブルテレビ無料を導入して何が悪いの？」と思う方もいらっしゃると思うので、今の若者文化を解説しておきたいと思います。今の学生さんや若い社会人は、実はかなりの人がテレビを持っていません。彼らは決まった時間に決まったテレビ番組を、テレビの前に座って観る習慣が無いのです。ならばどうして流行りのテレビの話題を知っているのかというと、スマートフォンで動画サイトを観ているから知っているのですね。その実態が分かってみると、テレビを持っていない入居希望者に、ケーブルテレビ４０チャンネル無料というサービスが、全く意味のないことに気付くでしょう。
そのために毎月大家さんが、ひと部屋に数千円の負担をしているとしたら、それはとても無駄な出費と言えるのでは無いでしょうか。しかも、このケースで一番困るのは、一世帯だけでもこのケーブルテレビを観ていた場合、簡単に解約が出来ないところにあります。その入居者さんがケーブルテレビで観ている番組を聞き出して、それが同様に視聴できる方法（BS やCS など）を導入する、という手も有りますが、大変手間がかかります。せっかくお金をかけて設備を導入するのであれば、ご自分の物件に住むであろう入居者層を見極めて、そのターゲットとなる入居者さんが喜ぶ設備にお金を使いたいものです。ターゲットの入居者が喜ぶ設備とは？さて、今回のケースでは、この大家さんはケーブルテレビ４０チャンネル無料ではなく何を導入すれば良かったのでしょうか？今の時代のお勧めは、インターネット無料や、wifi（ワイファイ＝無線でネットが繋がる機器）無料です。電車の中を見ても、若者はみんなスマホをいじっている時代です。先ほどお話ししたように、テレビドラマなども動画で観ていますから、毎月月末近くになると、スマホに「データ量到達のお知らせ」のメールが届く人が多いはずです。１ヶ月にデータのやり取りが出来る上限が決まっていて、それを使い切ってしまう訳です。そうなると、通信速度が極端に低下し、我慢してそのまま月末まで使い続けるか、それともお金を出してデータ量を追加購入するか悩むことになります。経済的に余裕のない若者には厳しい選択です。もし賃貸物件にインターネット無料があれば、自宅ではパソコンを使えば良いわけですが、パソコンすら持っていない若者が増える中、一歩進んでwifi 無料を導入しておくと、彼らは自宅に帰ったらスマホをwifi に繋いで、通信のデータ量を気にせず思う存分動画が観られるという、大きなメリットを享受できます。
パソコンを持っていたら、プロバイダーを契約しなくて済むのでその分数千円が浮く計算です。これなら、うまくアピール出来れば、家賃の上乗せも可能かもしれません。某大手アパートメーカーの新築には、3 年ほど前からインターネット無料が標準設備で付いています。そこに住んでいて、便利で経済的なことを体験した人が引っ越す時、次に探す物件の条件は当然「wifi 無料」となります。その人にとって「wifi 無料ではない物件」は、もう選択肢に入らないのです。賃貸住宅の25%は、インターネット無料や、インターネットが安価に使える設備が付いているとも言われている中で、今後は「あったらいいな」を通り越して、「なくてはならない設備」になっていくことは容易に想像できます。パソコンには疎くて、という年配の大家さんも多いと思いますが、こればかりは「理解出来ない」と言っていられないと思います。もし、今回の記事について「もっと説明が必要」という場合は、すぐに私たちにお尋ねください。
