賃貸経営塾
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NO.25「それぞれの 10年後20年後を考える」
いまご所有の賃貸物件の築年数が何年であっても、10年後20年後を考えることは大切です。賃貸経営は、短くても25年~30年、通常なら35年40年、長ければ50年以上に渡って続けられるものです。短期的でなく、長期的な視野が必要なのは言うまでもありません。
いまご所有の賃貸物件の築年数が何年であっても、10年後20年後を考えることは大切
です。賃貸経営は、短くても25年~30年、通常なら35年40年、長ければ50年以上に
渡って続けられるものです。
短期的でなく、長期的な視野が必要なのは言うまでもありません。しかし現実は、どうしても目の前のことだけに注力してしまいます。
私たち人間の原始的な脳の部分は、生きていくために、まず「目の前のこと」に対処するように出来ているらしいのです(たしかに原始時代の人間は、それしか生き抜く方法は
なかったでしょう)。
「いまが満室ならいい」「いまの空室が埋まればいい」「いまのトラブルが片付けばいい」というようになってしまい勝ちです。もちろん、目の前の緊急事態には最優先で対処しな
ければなりませんが、同時に、長期的な視野で眺めるクセを持たないと、安定した賃貸
経営は望めないでしょう。新築であっても10年後はもし、ご所有の賃貸物件が新築や
築浅でしたら、今はきっと満室かそれに近い状況でしょう。でも10年後は、「何の手も
打たないで」満室を維持するのは難しくなっているかもしれません。さらに20年後では、
空室に悩み、想定以上の修繕費がかかることに、驚いたり悩んでいるかもしれません。
賃貸経営の中間点に差し掛かって、大事な岐路に立っていることに気付くことになります。新築で満室のいま、その時のために、何かを決めて行動する必要があるのではない
でしょうか。
もしご所有の賃貸物件が築10年なら、そろそろ、退去後の部屋が「なかなか決まらなくなってきた」という時期かもしれません。広告料とか、フリーレントとか、家賃の改訂とか、
色々な提案があることでしょう。このときの決断が「とりあえず部屋が埋まればいい」という
近視眼的なものか、「10年後を見据えた」ものか、その選択によって結果が大きく変わる
ことになるでしょう。
もうひとつ、築10年といえば、外壁の塗り替えや、エアコン等の設備の交換といった、メンテナンスが必要になってくる時期です。大規模修繕の予定が組まれていれば、「やるか
やらないか」の決断が容易ですし、そのための資金も用意できているでしょうから、何の問題
もありません。でも予定を組んでいなかったとしても、今からでも遅くありませんので、さらに
10年後のために、準備を始めるべきでしょう。
築20年でも20年後を考えるもし、ご所有の賃貸物件が築2 0 年なら、老朽化物件の坂を転がり始める直前にあるか、あるいは、高い稼働率を立派に維持しているか、その
どちらかでしょう。それは、10年前20年前の決断と、それを実践したことによる差であ
ることは明らかです。ご存知の通り、建物設備のメンテナンス費用は、築20年以降から
本格的に必要になってきます。
家賃収入は減っていくのに、修繕費用の出費は増えるという事態です。それでも、
ローンの支払利息分や減価償却分が少なくなるので、利益が出て税金は課税される
という、厳しい時期になります。でも、このような老朽化物件への坂にあったとしても、
これからの10年20年を見通して決断をすれば展開が変わってきます。
たとえば、最低限の費用だけをかけて、低額家賃の入居者層をターゲットとして、
必要な収益とキャッシュフローを得ることは可能でしょう。あるいは、築20年を40年
間の賃貸経営の「折り返し点」と捉えて、大規模なリノベーション工事で積極的に攻める
という選択もあります。新たなローンを返済しても、必要な収益とキャッシュフローが
得られるような計画もあり得るのではないでしょうか。もちろん、これらの中間をいく
ような選択肢がいくつもあるはずですが、重要なのは「入居者ターゲット」をできるだけ
明確にして、必要最低限の支出を真剣に検討して、そして決めて実践する、ということ
です。
いずれにしても、現在の賃貸物件が「築何年」のときでも、「空室でも満室」でも、「トラブルを抱えている最中」であっても、そのときの決断の中に、10年後20年後を
見通してみる」という考えを加えることが、とても重要で意味があることです。