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No.22 「本当の賃貸経営がはじまるとき」

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  • No.22 「本当の賃貸経営がはじまるとき」

        

    お部屋が満室になれば、オーナーは「ほっと一息」つかれることでしょう。たとえば新築で、すべての部屋が埋まって入居が完了したとき。あるいは一部屋が空室となり、その部屋に3ヶ月ぶりに入居申し込みが入ったとき。「これで一安心」と胸を撫で下ろすことでしょう。そのお気持ちはよく解ります。しかし、ここで気を抜いてはいけません。ここから本当の賃貸経営が始まります。

      お部屋が満室になれば、オーナーは「ほっと一息」つかれることでしょう。たとえば新築で、すべての部屋が埋まって入居が完了したとき。あるいは一部屋が空室となり、その部屋に3ヶ月ぶりに入居申し込みが入ったとき。「これで一安心」と胸を撫で下ろすことでしょう。そのお気持ちはよく解ります。しかし、ここで気を抜いてはいけません。ここから本当の賃貸経営が始まります。


     100年後も続く商売だからAさんが10万円でカメラを買ったとします。さんざん「どれにしようか」迷ったすえに、あるカメラを選びました。Aさんにとってその選択が正しいか間違っていたかはこの時点では分かりません。実際にカメラを何度も使ってみて、使い方についてメーカーに問い合わせたり、故障したときに相談したり、その総合的な結果で「買って良かったかどうか」を判定します。よければファンになって友人にも勧めるでしょうし、何台も買い換えるかもしれません。今やインターネットでは、その「口コミ」の威力は絶大です。売ったメーカー側もそのことは心得ていて、アフターサービスに力を入れています。100年後でも続かせたい、「売ったら終わり」の商売ではないのですから。オーナー様もご存じの通り、これは賃貸経営という商売も同じです。入居した時点では借主は、「ここで良かったのだろうか」と思っています。売り手であるオーナー側は、「住んでよかった」と感じてもらうための“アフターフォロー”が必要なのです。そのために管理会社があるのですが、オーナー様にも理解していただいて、ご一緒に考えていただくとが大切です。


     なぜ「住んでよかった」と思われたいのか借主から「住んでよかった」と判断してもらうことのメリットを整理してみましょう。まず「長く住んでもらえる」ことです。オーナー様にとっては空室を発生させないことがなにより一番です。そして、お部屋や施設を気に入ってもらえれば「家賃を下げて」という交渉は起きにくいですから、入居したときの条件のまま、住み続けてもらえます。さらに満足している借主は、他の借主にとっても「よい存在」となります。
    入居者同士のコミュニティが育てば、もっと「住みやすい空間」になるでしょう。満足度が高ければ、空室が出たときに友人に紹介してくれるかもしれません。また、設備の故障などの不測の事態が発生したとき、オーナー側との関係がよければ、大きなクレームには発展しません。(もちろん管理側の対応が大事なのですが)そして退去のときも、金銭的な揉め事を防止してくれます。オーナー様も、借主との関係が良く、快適に暮らしていることが感じられれば、賃貸経営が意義あるものになり楽しいのではないでしょうか。


     「清潔で綺麗で明るい共用部」が合言葉では具体的にどうすれはよいでしょう。カメラのメーカーなら、カメラの品質を価格の範囲内で可能な限り良くします。お客様の声を聞いて改良を重ねます。そして質問や要望や苦情があれば真摯(しんし)に対応しようとするでしょう。賃貸物件では、すでにご存じのことですがまず“共用部分”に気を配ります。「清潔で綺麗で明るい共用部」が“合い言葉”です。共用設備についても、不具合が起きるのを未然に防いで、起きたとしても速やかに対処することです。長く住んでいただいたお客様(借主)に対しては、その期間に応じて新しい設備やその他のサービスで報いることが大切です。しかし、お客様を大切にすることは第一ですが、他のお客様に迷惑をかける借主がいたら、断固注意して、場合によっては排除することが必要な場合もあるでしょう。

     このような「借主の満足感を高める」ための具体的な事柄については、また別の機会にいくつもの事例で紹介させていただきます。物を売る商売で大切な考えとして、「買っていただいたときでなく、満足いただいたときを大切に」という言葉があります。賃貸経営にも通じる考えです。

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